概要
Unity5から新たに加わったライセンス体系である、Unity5Personalライセンスは、従来のUnity4Pro相当の機能を無料で使うことが出来ます。
その為OculusRift DK2を用いたVRコンテンツも従来よりお手軽に作れるようになりました。
しかし現時点のOculusRift用SDK(以下OVRSDKと書きます)最新版であるOVRSDK0.4.4(Unity Integration)はUnity4.xとUnity5beta向けに開発されていた物で、Unity5正式版で使う時にライブラリのコードを修正する必要があります。
参考リンク:
このエントリでは、こういった修正をしなくても快適に動く環境を作成する手順を説明します。
環境
- Windows8.1
- Unity5.0.0f4 personal
- OVRSDK0.4.4 + OvrMobileSDK0.4.3
- OculusRuntime0.4.4
手順
OculusRuntime0.4.4をインストール
通常通りUnityを起動してImportPackage→CustumPackage→OVRSDK0.4.4UnityIntegrationをインポート
OvrmobileSDK0.4.3 Oculus Rift PC SDK, Samsung Gear VR Mobile SDK, Docs, Integrations | Oculus Developer Center をダウンロードして解凍→ovr_mobile_SDK0.4.3->VrUnity->UnityIntegrationのUnityIntegration.unityPackageを追加でインポート
以上です。
ProjectViewのAssets→OVR→Prefabsの中のプレハブが
上記画像のように、TrackingSpaceが追加されていれば、うまく上書き出来ています。
この後、LeftEyeAnchorとRightEyeAnchorのClearFlagsがSolidColorになってしまっているので、いつも通りのskyboxに変更しておきましょう
Unity5でOVRSDK0.4.4を使う場合の問題点
ライブラリコードの修正が必要
Monoscopic rendering(両目に同じ絵を映す)やPosition Trackingの有効無効を切り替えられない
十分なスペックのPCでもjadder(首を左右に振った時に絵がブレる)が発生する場合がある
と言う感じなので、現時点での最適なUnity5+OculusRift DK2向けの開発環境としては、このmobileSDKを併用するべきだと考えます。
テストバイナリ配布
一応Unity5でMonoscopic renderingやPosition Trackingの有効無効を確認できるバイナリを置いておきます。見え方の違いを確認したい時に使えるかもしれません。
https://copy.com/b242vKNyvIctRSXW
個人的にはMonoscopicでもPosition Trackingを有効にしていると、意外と立体に見える感じがして、楽しいです。
その他雑談
MonoscopicRenderingの良さ
Monoscopic renderingは両目に同じ絵を映すので、原理的に描画負荷を下げられます。なので例えば実写パノラマ動画を再生するようなコンテンツでは、これを使うとパフォーマンスが稼げて良いかもしれません。
Unity5+OvrSDK0.4.4+OvrMobileSDK0.4.3のPC向けビルドで、Monoscopicチェックの有無でRendering負荷が変動することを確認しました。 pic.twitter.com/CCerRKolrh
— izm (@izm) 2015, 3月 16
また、低年齢(13歳以下)の人だと立体視の感覚が未発達なので、健康への影響を考えてOculusVR社は低年齢での使用を推奨していませんが、Monoscopic renderingであれば、そういった問題に対して別の結果が現れるかもしれません。興味深いです。
そして0.4.4以前では、Unity上でチェックボックスは有っても中身が実装されていなかったので、ようやく使えるようになって嬉しいです。
今回のネタ元
このOvrMobileSDK0.4.3を使うと良い、と言うアイディアは野生の男さん
野生の男 (@yasei_no_otoko) | Twitter
に教えてもらいました。感謝です。
Unity4.6ProでもOvrMobileSDK0.4.3を使ってPC向けビルド
@kaorun55さんが試してくださいました。
@z_zabaglione @izm @yasei_no_otoko Unity 4.6とOVR Mobile SDKはこんな感じですかね。微妙に見た目も変わってます。
https://t.co/2yHuL9jtu2
— 中村 薫 (@kaorun55) 2015, 3月 17
Unity4Proライセンスだけあれば、AndroidProライセンスは不要で使えます。 MonoscopicRenderingが必要であったり、最新の方が安心と言う方は検討ください。
余談
エントリ名はUnity5でもOculusしたい!と中二病でも恋がしたい!のパロディをしたかったのですが、ロゴを作っている最中に、これはもしやサムいのではないかと気付き、取り止めました。それにしてもモリサマーは可愛い…