明日からソーシャルゲームのクライアントエンジニアになる人に入門以前を宣伝します

概要

期が変わって2021/4/1からソーシャルゲームのクライアントエンジニアとして働く人も結構いるかもしれないと思うので

ソーシャルゲームのクライアントエンジニア入門以前 というサイトを宣伝します。 neon-izm.github.io

前回までの経緯

2020/7ごろゴリゴリ作って目次を一通り書いた後、以下の記事を公開しました。 この時点で約2万字程度 izm-11.hatenablog.com

公開以降、僕自身による本文の加筆の他、業界内の様々なエンジニアによる修正提案、項目追加などが加わりました。

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現在はカウントしてませんが約6-7万文字程度です。

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宣伝

書きたいことは大体↑のサイト+過去の日記に書いてしまったので改めて宣伝することが思いつきませんが、開発現場で突然仕事を振られて硬直しないように、ググりはじめるステップとして、ブックマークして備えておくというのはいかがでしょうか!

Haritoraを業務提携して量産することが決まって嬉しい話

概要

2020年にコツコツと趣味で作っていたVRChat向けフルトラデバイスのHaritoraですが、この記事にあるようにBoothで一般販売をしていました。

izm-11.hatenablog.com

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ありがたいことに予想を大きく上回る数百台の注文を受けた結果、納期の問題やユーザーサポートが間に合わないという嬉しい悲鳴をあげていました。

生産体制で困っている事をあちこちに相談したところ、とみねさん とみね∞遠見海@バーチャル多趣味アンドロイド (@htomine) | Twitter の紹介で株式会社ShiftallのCEOである岩佐さん 和蓮和尚 (@warenosyo) | Twitter さんとVRChat上でお会いして、ワイワイとお話したところ、Shiftallさんで量産版のHaritoraであるHaritoraXを作ってもらえることになりました。

このプロジェクトにはアドバイザとしてVRCの文化に明るいぴちきよさん ぴちきょ📲RAKUNI iPhoneケース 💃🏻 VRChatクロマケ2nd 2/20〜 (@pichikyo) | Twitter にも参加してもらってます!

(これは去年のクリスマスにワイワイしてたときの様子。もこもこルームウェアが僕、右端が岩佐さん、ぴちきよさん撮影)

予定通りであれば2021春~夏くらいの間に、コミコミ税込み3万円以下でAmazon他からどなたでも買えるようになります。

ja.shiftall.net

一般販売より先に手に入れられる優先予約フォームはこちらになっております。よろしくお願いします。

HaritoraX優先予約フォームURL: https://forms.gle/7z8fgNrAivSJQmxj9

様々なお話

ホームメイドハードウェアスタートアップごっこの限界

大変楽しく賃貸マンションの一室で3Dプリンタをゴトゴト動かして、毎日仕事終わりに自室の作業机ではんだ付けをしていましたが、販売数が3桁台になると大変だという事が分かってきました。

はんだ付けして… ネジ締めて… 梱包して発送!

特にBoothの匿名発送+自宅から発送、の場合はQRコードを都度確認しながらヤマト運輸またはファミリーマートまで往復することになり、日々の出荷お散歩が日課になりました。

もっと組立が容易なPCBA(つまり、基板を業者にはんだ付け済みにしてもらう)や、生産性の高いケースなどを考えると良かったかもしれませんが、まさか売り出すまではこんなに売れると思わず、手作業の温かみで作れると思っていました。めっちゃ反省点です。

//ただ、ハードウェアの再設計とかをしてたら、販売開始がもっと遅れたと思うので、ここの判断は難しいところです

新しいHaritoraXって何が変わるの?

詳しくはプレスリリースをご覧ください。ですが

  • M5StickCではなくマイコンを直接基板に搭載して各種認証を取得します
  • バッテリー内蔵します(もちろんモバイルバッテリーによる稼働時間延長も可能です)
  • ↑つまり、HaritoraXはハードウェアを新規設計します
  • HaritoraXはShiftall社が Amazonなどで販売し、サポートも同社が行います
  • ソフトウェアは既存のHaritoraConfiguratorを使います
  • お値段は 税込み3万円以下の予定 です
  • 生産台数は100や200みたいな単位では無いです
  • 取り付けについても専用の仕組みを用意して装着感がアップする予定です

つまり、「僕に無限のお金と時間があったらこんなハードウェアにしたかったなあ」と思ってた夢のハードウェアをShiftallさんが作ってくれます。

Shiftallさんってどんなところ?

こんなところです!Panasonicさんのグループ会社です。

f:id:izm_11:20210219140332p:plain 株式会社Shiftall

Haritoraのような同人ハードウェアを作る人は日本に数百人くらいは居るのですが、同人ハードウェアの大量生産に協力をしてくれる国内の会社、というと数社しか思い当たる会社がありません。

なぜ数社しか無いかと言うと、こういうバクチみたいな製品を余裕で生産できる規模の会社にとっては、想定市場が狭すぎます(想定市場が狭いからこそ、僕は個人開発することにしたんですが)

かと言って、こういうバクチみたいな製品に自社の命運を託すような規模の会社に出来ること(つまり、数百万程度の初期投資)であれば、極論を言うと僕のポケットマネーでも実現可能なことだったりします。

更に言うと Haritoraみたいな製品をシャレで(?)作れるくらいの余裕があり、VR関係の市場に打って出る気概がある会社は、 Haritoraの競合製品を出すことも出来ます。

出来れば競合製品を出されるより、一緒に楽しく遊べたら嬉しいなあ…と思っていたところ、この思い当たる国内の数社の内の一つであるShiftallさんと協業することになりました。

ShiftallさんのCEOである岩佐さんと言えばキャズムを超えろというblog warenosyo.hatenablog.com

を書いていて、僕が製造業の仕事をしていたころにCESのレポートなどを読んで洞察力や製品に対する目線などで勉強をしたところです。

見返してみたら9年前のこの記事とかめっちゃ趣がありますね…!

こうして昔愛読していたblogを書いてた人の会社と一緒に
同人ハードウェアを量産改良してAmazon等で一般販売する と言う経験が出来ることは、嬉しいですね!

ShiftallさんはPanasonicさんのグループ会社ということもあり、各種認証の取得やユーザサポート、物流なども思い切り本職です。恐れ入ります…助かります。 僕はこのHaritoraXについてはソフトウェアエンジニアとして関わり、ハードウェアやサポートなどはShiftallさんにお任せする形になるかと思います。

今までのHaritoraはどうするの?

既存のお届けした分については、引き続きソフトウェア含めサポート対象です。HaritoraXのソフトウェアも既存のHaritoraConfiguratorベースで動くようにすることで、ソフトウェアアップデートも行っていく予定です。 ご安心ください。

そして、用途的に既存のHaritoraの方が望ましい方や、HaritoraXの発売が待ちきれない方に向けて既存のHaritoraを引き続き手作りで供給していきます。ただし、お待ちいただける場合はHaritoraXの方が価格面でも強度面でもおすすめですよ!というのが僕の意見です。

所感

同人ハードウェアを作って売った後、量産版を企業と組んで売り出す、というのは結構珍しい体験だと思うので超楽しみにしています!!

企業さんが興味を持ってくれたのも、多くの方がHaritoraに興味を持って、ユーザさんがいっぱい使ってくれたおかげです。本当にありがとうございます。

発売は少し先ですが、発売の際はよろしくお願いします!!

KAT locoを代理店の人から貰ったので分解してみた

概要

VR-HMDと組み合わせて使うIMUセンサーのKAT locoの国内代理店である

katvr.jp

さんからご厚意で分解可能なKAT locoを頂いたので分解して初見の所見を書きます。

KAT locoは今後KAT loco Sという改良版が出るというニュースがあるので、逆に旧版を確認しておきたいというモチベーションがあります。

前提:僕は誰?

KAT locoと同じようなVR-HMDと組み合わせて使うIMUセンサー方式のハードウェア Haritoraを趣味で開発、販売しています。

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前提:受け取りの経緯

分解の様子

箱に入っています。腰と足で微妙に作りが違いますが、外装サイズやPCBサイズは合わせてそうですね(生産性向上…!) f:id:izm_11:20201230174410p:plain

早速分解しました。表面にUARTっぽいテストピンが4本出ているので、たぶん繋げたらなにか喋ってそうです。
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裏面はこんな感じ。リポを直はんだで止めているのがコスト対策を感じます。
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コンポーネント解説

メインSoC(計算するチップ)

STM32L152CBT6 (ARM Cortex-M3) 32MHzということでかなり消費電力を気にしている雰囲気です。 後述のIMUのDMPサンプルプログラムとの兼ね合いかも知れません。I2CでIMUと繋がってるようです。

STM32L152CBT6-A|製品情報(STM32)|STM32, STM8ファミリはSTの32bit/8bit汎用マイクロコントローラ製品

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IMU(姿勢を取得するジャイロセンサ)

TDK InvenSense MPU6050 ということでかなり昔のIMUで、加速度とジャイロが入ってる6軸IMUです。モーキャプとか姿勢計測には定番の地磁気センサが含まれていませんね…

正直なところ数年前から「新規設計には非推奨」というステータスなので、個人的にはもっと新しい世代を使っているかと思っていました。
たとえば、InvenSenseのDMP(クオータニオンを求める賢いフィルタモードや、タップ検知などが動く専用機能)を使いたい、と思っていて
DMPがリバースエンジニアリングによって解析済みなMPU6050を使いたかった、みたいな動機かもしれません。

MPU-6050 TDK InvenSense | センサ、トランスデューサ | DigiKey

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Bluetooth通信部

HY-40R204系のBLEモジュール 

BLE 5.0 Module : HY-40R204_BLE 5.0 Modules_Products_Shenzhen ShengRun Technology Co.,Ltd

BLEを使ってるっぽい予感があります。賢い!!!

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電源IC

TP4056系のリチウムイオン電池充電ICです。

大体データシートのリファレンス通りっぽい作り方で堅実な作り! f:id:izm_11:20201230180409p:plain

所感

IMUをマイコンでI2Cから読んで、BLEパケットを喋る。リポで電源供給、という仕組みから考えるとストレイトフォワードな実装でした。
ねじ一個で組み立て固定できるようになってたり、金型の共有化とかが考えられてて会社の仕事だ!!!と思いました。

ただし、このIMUで5点式のモーキャプはかなり難しいのでは…と思ってしまった…(なのでIMU自体の性能を上げたKAT loco Sを出す必要がありそうです)

東京都内おすすめグルメマップ (推しの勧めてた店に行ってみた)

概要

この記事は もなふわすい~とる~む Advent Calendar 2020( https://adventar.org/calendars/5183 ) 12/6(6日目)の記事です。

5日目の記事は ぱんたくん によるオーディションから活動初期の様子をリスナーインタビューで迫る力作でした。

note.com

東京に住んでいると、とても一人では回りきれないほどの多種多様なご飯屋さんがあります。

バズってるお店、みたいなのも混んでいたり、広告費の結果だったりするので、味覚の近い信頼できる人からの口コミが頼りです。

さて、ここで僕の最推しである 巻乃もなかさんというバーチャルタレント(いわゆるVTuber)がいます。

どんな人なのかというのは Panoraのインタビューがよくまとまっているので是非読んでみて欲しいです。
活動開始してからVRChatやUnityを知って触って楽しんでいる様子が、とても良いです。

panora.tokyo

そしてこれは彼女のオリ曲(?)の各位なかよく小学校校歌です。インターネット感があって本当に好き…

彼女は見かけによらず(?)こってり系ラーメンや肉を好んでいて、意外と味覚が僕に近そうな感じです。
推しの活動を追いかけて配信やツイッターを見ている内に「○○っていうお店に行ってご飯食べた!おいしかった!」みたいな話が出てくるのをメモって、僕も行ってみることで外食のレパートリーが増えました。ここで一部を披露します。

甘味編

[葛飾区] 柴又い志いの米ロールケーキ

f:id:izm_11:20201205160519p:plain Google マップ

配信で「稲穂が入ってて嬉しくて振り回したら台所で米が飛び散った…」と語っていました。

葛飾柴又にある、結構歴史ある建物で営んでいる、い志いさんの米ロールケーキです。
この記事を読んでいる人はIT系の人も多そうなので言うと 「pixivさんや時雨堂さんが送ってくれるメッチャおいしいどら焼き」の店 です。

ちょっと柴又は遠かったので僕は通販で買いましたが、どら焼きも手頃な価格でびっくりするほどおいしいのでオススメです。酪ドラ(クリームとあんこ)のどら焼きが特にお気に入りです。

ロールケーキは、ちょっぴり焦がすくらいの香ばしさのある砂糖の甘さと、生クリームのほどよい甘さが合わさり、脳がシャキっとするので何かヤバい物が入ってそうなおいしさです。

続きを読む

楽しいPCB発注 FusionPCB編

概要

PCB業者は様々な会社がありますが、FusionPCBさんからクーポンもらったのでレビューします。

www.fusionpcb.jp

前提として

  • 僕は本職が基板設計ではない(趣味の工作程度)
  • 今回の発注基板は比較的低速なI2C程度のクロック

の物になります。 普段はPCBGoGoというサービスを利用していて、おおよそ満足しています。

プリント基板製造・実装|短納期基板製作|プリント基板実装 - PCBGOGO

PCBGoGoの満足ポイントとしては、日本語が通じることと、土日も営業していること、週末に発注した基板が翌週末までに届くことです。

(FusionPCBも日本語が通じます)

納期について

2020/10/27 に300枚程度の基板を発注して、11/13に到着しました。

好意的に見積もっても、約2週間はかかっていますね…ここはあまりうれしくないところ。
少数出荷だともっと早いかも知れませんが、少なくとも今回の発注ではハラハラしながら配送を待つことになりました。

品質

ツヤ消し黒基板を初めて頼んだのですが、メチャクチャかっこいい!!!

あの、PCB業者によってはツヤ消し黒に非対応だったりするのと、ツヤ消しって言っても半ツヤくらいの物が届いたりするのですが、FusionPCBさんのツヤ消し黒基板はマジでかっこいい…

墨みたいな深みのあるマット感があって、はんだ付けしているとテンションがあがります。

シルクも綺麗に出ますね!つや消し黒基板に白シルク、なんだか「高いやつだぞ!」という感じが出て嬉しい…

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面付け(つまり複数枚をまとめてくれるやつ)もやってくれる! f:id:izm_11:20201123180215p:plain

上:FusionPCBのツヤ消し黒、下:PCBGoGoの緑基板
いやー、ベタのグラウンドが目立たないですね。なるべくキレイにはんだ付けしなきゃ…w f:id:izm_11:20201123181138p:plain

総評

良い点は

  • ツヤ消し黒の質感が超かっこいい
  • 面付けをお願いできる

気になる点は

  • 納期がPCBGoGoより遅い

という感じです。FusionPCBはPCBA(基板実装までセット)の部品に格安中華部品を使えて、それらのリストを公開されていたりするので、今度はPCBAも頼んでみようかなあという気持ちです。

一方で普通のPCBならPCBGoGoの方が発送が早いので、週末に開発するホビイスト的には、PCBGoGoが嬉しいんじゃないかな、と思います。