Unity本いっぱい出てるので、お勧め本を難易度別に並べてみる

世の中にUnity情報が山ほどあって、素晴らしいです。
分からない事があっても、ググるだけでピンポイントなブログの記事やstack overflowが出てきたりします。素晴らしい。
ただ、技術に対する体系だった学習に技術書を読むのは、とても良いと思うので、読んだことある本を難しさ順に並べてみます。
ここに出ていない本は読んでいないか、読んでオススメしかねる本だったので、お勧め本があれば教えてください。

2016年版を書きました izm-11.hatenablog.com

Unityって何?レベル

まずは本を買うより先にドットインストールのUnity講座を見ましょう。
お金を払って本を買うのはその後で良いのです。

http://dotinstall.com/lessons/basic_unity

個人的には、最初から本を買って「お金払ったんだし、やるか…」と言う気持ちにするメソッドを良く使うのですが、Unityの場合GUIの操作が結構色々あるので、取っ付きの意味でも、動画形式はお勧めです。
余談ですが、ドットインストールと後述のひよこ本育ちのUnity使いはUnityのレイアウトがデフォルトが多くて、うさぎのバンナム本育ちのUnity使いは2by3レイアウトが多い印象あります。

ここに無料と有料の壁

とりあえず何かゲーム作ってみようかなレベル

Unity4入門 最新開発環境による簡単3Dゲーム制作

Unity4入門 最新開発環境による簡単3Dゲーム制作

一冊目として大人気なのがひよこ本。これは、プログラミング自体が初めて、みたいな人にも勧めやすいです。
ただ、ひよこ本はスクリプトがUnityScriptで書かれているので、プログラミングしたことがある、と言う方はC#で書かれた別の初心者向けの本を読むのも良いと思います。(この条件に当てはまる本をご存知の方、教えてください!→良い本があったので追記)

見てわかるUnityゲーム制作超入門

これもちゃんと書かれている本なので、ひよこ本と同じくらいオススメなんですが、残念ながらこれもUnityScript…
プログラム、(何の言語でも良いので)勉強したことはあるよ。と言う場合は、ひよこ本よりこちらの方が良いような気はします。

自分はプログラマ気質だ、と言う人向け

見てわかるUnity4 C#超入門

UnityScriptではなく、C#から始める入門向けオススメ本です。
言語の違いを気にするタイプのプログラマ気質の人に刺さると思います。まずインストールの解説の後、キューブや地形やライトの設置より前に C# とは何か、mono develop 操作、足し算引き算の表示、GameObjectとComponentのUnityというシステムの解説などがあって、中々面白い切り口。
最終的な成果物のレベルはひよこ本等と同じですが、「何か訳分からないけど書いて有る通りマウスをポチポチ操作したら出来た!」みたいなのが気持ち悪いプログラマ畑の人にとって、非常に良い参考書になりそうです。

ここにC#とUnityScriptの壁

で、もうちょっとちゃんとしたゲームを一個作ってみたい

ここは選択肢が多いです。ちゃんと複数のアニメーションを遷移する人型の自キャラがいて、敵が居て、3Dで…みたいなアレです。
ここまでは「ああ、Unityね、ちょっと触ったことあるよ」と言う感じで、ここから先は「ゲーム作ったことあるよ」と言う感じでしょうか。
ここからはC#で書かれた本が多く出ているので、UnityScript育ちの人も、このタイミングでC#を覚える事が多いイメージ。
この段階で、本を辿って一本のゲームを完成させるぞ、と言うタイプの本を読むのが、早期習得に便利です。
本屋さんに行って、自分の興味ある分野のゲームを一本作るUnity本を探して買って、頑張って読む。がオススメですが、一応僕のオススメを書きます。

一昔前なら、バンナム本の

Unityではじめるゲームづくり

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

Unityではじめるゲームづくり (DVD付) (ゲープロシリーズ)

が一押しでした。コラムの品質の高さもあって、同時期に出たUnity本より頭一つ抜けていると思います。

ただ、いかんせん少し出版時期が古い(mecanim非対応、そしてこれもUnityScript…)ので、

Unityで作るスマートフォン3Dゲーム開発講座

Unityで作るスマートフォン3Dゲーム開発講座 Unity4対応 (Smart Game Developer)

Unityで作るスマートフォン3Dゲーム開発講座 Unity4対応 (Smart Game Developer)

がお勧めかもしれません。 この本はタイトルにスマフォと銘打っていますが、別にスマホ向けに限らずとも読める、丁寧に手順が書かれている真面目な本です。

少々難易度が上がりますが、

モンハンみたいなゲーム作ってみたい

みたいな人には

Unityゲーム開発 オンライン3Dアクションゲームの作り方

Unityゲーム開発 オンライン3Dアクションゲームの作り方

Unityゲーム開発 オンライン3Dアクションゲームの作り方

がネットワーク対戦も、アセットや有料サービスを使わずに、Unity自前で構築する手段が書かれていて好感が持てます。濃度としてはバンナムうさぎ本の1.5倍速で話が進んで、最後の1/3がネットワーク対応と、2Dゲームの付録と言った感じです。
(p294のタイトル「Unityの"オーティオ"機能を学ぼう」と言う誤字には脱力しますが…でも良い本です!)

ネットやスマフォとかじゃなくて、ゲームの作り方自体をだな…

という人には、最近出た

ゲーム作りのはじめかた Unityで覚える企画からレベルデザインまで

ゲーム作りのはじめかた Unityで覚える企画からレベルデザインまで

ゲーム作りのはじめかた Unityで覚える企画からレベルデザインまで

が、チャラい見た目とは裏腹に、ゲーム制作特有の、「面白さを作る」事に対して類書の中で白眉であると思います。

ここから、個別tipsや、中級向け

あのゲームでやってたあの処理ってUnityではどうやるの?

と言う感じのノウハウ集がそろそろ必要になってきます。いわゆるオライリーのhogehogeクックブックです。

技術サイド

技術特化では、
Unity実践技術大全

Unity実践技術大全 (GAME DEVELOPER BOOKS)

Unity実践技術大全 (GAME DEVELOPER BOOKS)

がお勧めです。何が素晴らしいかと言うと、Tips集的にも十分な品質ですが、日本語で無料アセットを実際使った解説が山ほど(100ページ以上)乗っていて、大急ぎでプロトをでっち上げるときに、この本が手元にあると数時間浮きます。紙の本をペラペラめくるの、Unityのアセットストア検索より大分速いです!
これだけで元が取れます。(まあ、本音を言うとお試しで買いにくい有料アセットの紹介も同じくらいして欲しいところではあります。)

プランナーサイド

対して、こちらはプランナーサイドからの本。
ミニゲームをペライチの企画書から、ゲーム開発している人がどう考えてゲームにして、コードに落とし込むか、と言う思考を追体験出来るのが

ゲームの作り方 Unityで覚える遊びのアルゴリズム

ゲームの作り方 Unityで覚える遊びのアルゴリズム

ゲームの作り方 Unityで覚える遊びのアルゴリズム

です。将棋とか囲碁で言う所の、定石集じゃなくて、「プロ棋士が書いた自戦記」みたいなものです。このゲーム開発者の思考を追う事は、blogとかでは中々出てこない話です。
「Unityを勉強したい」ではなく「自分でゲームを作りたい」人には、強くお勧めします。細部まで一度読み通すと、Tips集的にも、もちろん使えます。

上級向け

最早ここからは、個別に必要な事を調べたり書いたり、と言うのが多くなるので、本ではあまり出てこないです。
とは言え、この段階の一歩手前まで、ステップごとの技術書が「日本語で」揃う、と言うのは、凄い状態です。Unity人気ですねえ…

番外編(ゲームエンジンはチャラいからちょっと…)

C++を学びましょう。 そして以下の順に読んで、完全に理解したなら、Unityが滅んだ後の世界でも、ご飯が食べられそうです。

(すごく易しい) ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術

ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術

ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術

(本物のC++ゲームプログラミング、大変惜しいが絶版) ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング

ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング (Professional game programming)

ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング (Professional game programming)

もう一冊、蛇足ではありますが、
実例で学ぶゲーム3D数学

実例で学ぶゲーム3D数学

実例で学ぶゲーム3D数学

を、お勧めしたいです。高校で習うベクトル、行列演算、大学で習う線形代数が、最高効率のプログラム言語で実装されていく過程を読んで試すと、血肉となって生きます。

この3冊は、僕の人生の方向付けを変えた技術書なので、余談ですが紹介でした。