Unity5PersonalでのOculusRift DK2環境構築

概要

Unity5から新たに加わったライセンス体系である、Unity5Personalライセンスは、従来のUnity4Pro相当の機能を無料で使うことが出来ます。

その為OculusRift DK2を用いたVRコンテンツも従来よりお手軽に作れるようになりました。

しかし現時点のOculusRift用SDK(以下OVRSDKと書きます)最新版であるOVRSDK0.4.4(Unity Integration)はUnity4.xとUnity5beta向けに開発されていた物で、Unity5正式版で使う時にライブラリのコードを修正する必要があります。

参考リンク:

qiita.com

このエントリでは、こういった修正をしなくても快適に動く環境を作成する手順を説明します。

環境

  • Windows8.1
  • Unity5.0.0f4 personal
  • OVRSDK0.4.4 + OvrMobileSDK0.4.3
  • OculusRuntime0.4.4

手順

  1. OculusRuntime0.4.4をインストール

  2. 通常通りUnityを起動してImportPackage→CustumPackage→OVRSDK0.4.4UnityIntegrationをインポート

  3. OvrmobileSDK0.4.3 Oculus Rift PC SDK, Samsung Gear VR Mobile SDK, Docs, Integrations | Oculus Developer Center をダウンロードして解凍→ovr_mobile_SDK0.4.3->VrUnity->UnityIntegrationのUnityIntegration.unityPackageを追加でインポート

以上です。

ProjectViewのAssets→OVR→Prefabsの中のプレハブが f:id:izm_11:20150316184333j:plain

上記画像のように、TrackingSpaceが追加されていれば、うまく上書き出来ています。

この後、LeftEyeAnchorとRightEyeAnchorのClearFlagsがSolidColorになってしまっているので、いつも通りのskyboxに変更しておきましょう

Unity5でOVRSDK0.4.4を使う場合の問題点

  1. ライブラリコードの修正が必要

  2. Monoscopic rendering(両目に同じ絵を映す)やPosition Trackingの有効無効を切り替えられない

  3. 十分なスペックのPCでもjadder(首を左右に振った時に絵がブレる)が発生する場合がある

と言う感じなので、現時点での最適なUnity5+OculusRift DK2向けの開発環境としては、このmobileSDKを併用するべきだと考えます。

テストバイナリ配布

一応Unity5でMonoscopic renderingやPosition Trackingの有効無効を確認できるバイナリを置いておきます。見え方の違いを確認したい時に使えるかもしれません。

https://copy.com/b242vKNyvIctRSXW

個人的にはMonoscopicでもPosition Trackingを有効にしていると、意外と立体に見える感じがして、楽しいです。

その他雑談

MonoscopicRenderingの良さ

Monoscopic renderingは両目に同じ絵を映すので、原理的に描画負荷を下げられます。なので例えば実写パノラマ動画を再生するようなコンテンツでは、これを使うとパフォーマンスが稼げて良いかもしれません。

また、低年齢(13歳以下)の人だと立体視の感覚が未発達なので、健康への影響を考えてOculusVR社は低年齢での使用を推奨していませんが、Monoscopic renderingであれば、そういった問題に対して別の結果が現れるかもしれません。興味深いです。

そして0.4.4以前では、Unity上でチェックボックスは有っても中身が実装されていなかったので、ようやく使えるようになって嬉しいです。

今回のネタ元

このOvrMobileSDK0.4.3を使うと良い、と言うアイディアは野生の男さん

野生の男 (@yasei_no_otoko) | Twitter

に教えてもらいました。感謝です。

Unity4.6ProでもOvrMobileSDK0.4.3を使ってPC向けビルド

@kaorun55さんが試してくださいました。

Unity4Proライセンスだけあれば、AndroidProライセンスは不要で使えます。 MonoscopicRenderingが必要であったり、最新の方が安心と言う方は検討ください。

余談

エントリ名はUnity5でもOculusしたい!と中二病でも恋がしたい!のパロディをしたかったのですが、ロゴを作っている最中に、これはもしやサムいのではないかと気付き、取り止めました。それにしてもモリサマーは可愛い…