概要
ソーシャルゲームは円熟期を迎えつつあり、なかなか新規開発をするときに根性を入れて作る必要があり大変だったりしますが、マネタイズについての話を書いておくと、コンシューマや他の業界から入った時に理解がしやすいのかな、と思ったので書きます。
とはいえ、ここに書いてあることは幾つものソーシャルゲームの講演や公開資料の最大公約数なので、特に新規性はありません。
このエントリはマネタイズ手段としてキャラクターのガチャをメインに据えた運用型のスマホゲームを前提にしています。
そういったゲームを開発、運用する上で売上を確保する部分をどう頑張るか、の前提知識の確認になればうれしいです。
(いや、ロボゲーもいけるしパズルゲーもあるんですが)大体の場合においてキャラクターが魅力的、というのは七難を隠すので魅力的なキャラクターを作れる舞台設定やストーリーを作りましょう。
原作付ゲームだとここで一歩リードした地点から始められる(既に魅力的なキャラクターであることが保証されている)というのは素晴らしいですね。
声優さんやイラストレーターさんには頭が上がりません。いつもありがとうございます。
マネタイズ手段としてガチャは有力
ソーシャルゲームはリリースして終わりではなく、その後も運用を続けないといけないため、開発コストを出し切ってマスターアップ!はいおしまい!というわけではなく、運用コストがかかり続けます。
そのため、運用中に売り上げを継続して出し続けるためのマネタイズエンジンが必要になります。ソーシャルゲームのマネタイズエンジンとして一般的なものは、皆さんご存じの通りガチャです。
ガチャを回してもらうには魅力的なキャラクターをドンドン出す
売上のためには魅力的なキャラクターをドンドン出していきたいですね。
とはいえ、キャラ絵をドーン!(ボイス付)と突然出してもプレイヤーは感情移入もへったくれもないので、「このキャラは魅力的だ!是非課金してでもガチャを回したいな!」と思わせる為のストーリーを追加する必要があります。
メインストーリーで大活躍するキャラ、は当然有利ですが、ずーっとメインストーリーを作り続けるのは開発ライン的に厳しいので、季節に合わせたサブイベントの開発ラインを並走して運営タイトルとしての安定感をあげましょう。
でも報酬がないとユーザはストーリーを読んでくれないよ!!!!
- 魅力的なキャラクターを作る
- そのキャラが活躍するストーリーを見せる
- そのキャラを引けるガチャを出す
- ユーザはガチャを引く
と言うのが現代のソーシャルゲームの定番システムです。
このシステムを実現するためにはユーザにサブイベントを遊んでもらう必要があります。
そのためによく使う方法が育成素材を普段は絞って、サブイベントの報酬として育成素材を多めに出すという方式です。
ユーザはその時のお気に入りのキャラを育てる時に育成素材が足りない(ようにリソースを計算しましょうね!)ままにして、サブイベントを走れば育成が進めやすいよ、と報酬設計で誘導します。
そしてサブイベントを走る過程で新キャラを活躍させる!これがキモになります。
- 普段は育成素材を絞る
- 育成素材をイベント時に豊富に入手可能にする
- ユーザをイベントに誘導し、イベントをフックに新キャラを見せてガチャを引かせる
というゲーム運用の流れを意識しておきましょう。
いやー、ストーリーだけで引っ張るのは厳しいよ
その場合は性能やレアリティを運用フェーズに合わせて見直しましょう(安易なインフレは避けましょう)。あるいはなんらかのユーザ間競争イベントを用意して、そのイベントを有利に進める能力を付けたキャラを出しましょう!!
感情移入だけでなく実利面のアピールも手札に持っている、ということを念頭に置いておきましょう、
(乱用するとゲームが荒れるので本当に慎重にしましょうね…)
月額課金は何のため
基本的に上に書いたようなループでソーシャルゲームは売上を確保しますが、当たりはずれの波があったり有料ガチャを回すのに抵抗があるユーザに向けたマネタイズ手段です。
売り上げの予測が立てやすく、施策を考えるに当たっての指標として使うことができるので、是非とも検討したいところです。
月額課金パックは毎日ログインするときのボーナスを増やす、みたいな効果にしておくと継続率にも効いてくるので最近のゲームには搭載されてることが多いと思います。
最後に
ソーシャルゲームを遊ぶ時は、このエントリの事なんて頭から追い出して楽しく遊んでいきましょう!!!
課金の話だけじゃなくてもっと多方面(特にこのエントリでは意図的に省いた初動の重要性や継続率など)の例はトリリオンゲーム4~5巻、スマホゲームを作る部分を読んでみてください。おすすめです。
もうちょっと技術寄りのお話が読みたい人は、こちらを読んでみてください。
neon-izm.github.io