VRChat向け下半身トラッキングデバイスHaritoraXが発売+発送開始されました。

概要

2021年2月に僕と愉快な仲間達で作っていた同人ハードウェアのHaritoraを、株式会社Shiftallさんと業務提携して量産改良版HaritoraXとして開発することを発表しました。

そのHaritoraXが本日付で発送が開始されました。

izm-11.hatenablog.com

ja.shiftall.net

この記事では同人ハードウェアの量産改良版発売における役割分担やソフトウェアの改良などについて書こうと思います。

ちなみに気になる予約台数はShiftall CEOの岩佐さんより、本予約開始直後の5/27時点でこのツイートがあります。その後の数字は非公開とのことですが、びっくりするぐらいの台数が出ているようです。

同人ハードウェア発でメーカーから量産改良版が何千台も出る、ありがたい時代ですね。

f:id:izm_11:20210716011616j:plain
発売を喜ぶ筆者イメージ図
この発売記念イラストは海老原べにこさんに描いて頂きました。感謝。腕が良くて仕事が早いので皆さんもイラストを依頼しましょう。 海老原べにこ🍤 (@ymdbnk) | Twitter 

役割分担

HaritoraXは新規設計になるハードウェア面について、取り付け用専用スーツ含めほとんどShiftallさんにお任せしています。(一部僕が口を挟んでいる場所もありますが)

新規設計のハードウェアに合わせたファームウェアもShiftallさんによる開発です。

また、製品のサポートやドキュメント、宣伝などもShiftallさんがやってくれます。

ということは僕は何もしなくてもオッケー!!!(?)かと言うとそうでもなく、結構いろいろソフトウェアの改良をしました。
次の項で、こんなことしたよ!という事をまとめておきます。

たぶんハードウェアの工夫や大変さなどについては追って Shiftall さんから面白い情報が出ると思います!

ソフトウェア改善箇所

ラッキング

ラッキングアルゴリズムに手を入れて、ジャイロの数が少ない割に良い感じに動く実装をしました。
(以下トラッキング技術勉強会の発表スライドにも載せています) speakerdeck.com

www.youtube.com

UI

フォントをフォントワークスさんの物に置き換えました。VR-HMDのバーチャルデスクトップ環境を考慮してフォント視認性を上げています。(mojimo-gamesはインディゲーム専用では無く、他のソフトウェアでも使っても良いのです) mojimo.jp

UIレイアウトや可読性を全般的に修正(zenさんありがとうございます) f:id:izm_11:20210716013039p:plain

例:スタート画面
f:id:izm_11:20210716013130p:plain こんな感じに修正↓ f:id:izm_11:20210716012955p:plain

使い勝手

細々といろいろなエラーハンドリングを追加しています。例:ハードウェアのBluetoothコネクションがタイムアウトしたときの挙動など。

今までのユーザフィードバックを元に、なるべくユーザが困らないように、ということを重視しています。

HaritoraX専用機能

HaritoraXの電池残量表示を作ったりしました。
そしてHaritoraX向けのBluetooth経由のOTAファームウェアアップデートを実装しました。(これをUnityでやってる人はあまりいないはず)
www.youtube.com

まとめと今後の展望

以前に書いた業務提携の発表時のエントリだと「Amazonで売るよ!」とありますが、どうやら当面は既にオーダー頂いてる方への発送が優先のようです。

ご存じの通り、昨今の様々な情勢により半導体が全体的に調達コストが上がったり、納期が異常に伸びたりする中で当初スケジュールである春~夏出荷開始を維持したShiftallさんの尽力に感謝しています。(クラファンのハードウェア系は軒並み出荷予定が伸びてますね…)

発売したよ、で終わりでは無く、まだまだHaritoraプロジェクトで面白いことをしていきたいなあと思っているので今後もメンテしていこうと思います。

とりあえず無印Haritoraを対象としたハードウェアハッカー向けドキュメントを書きます!!(みんな自前のファームウェア書いて遊びたいよね!)