Haritoraを業務提携して量産することが決まって嬉しい話

概要

2020年にコツコツと趣味で作っていたVRChat向けフルトラデバイスのHaritoraですが、この記事にあるようにBoothで一般販売をしていました。

izm-11.hatenablog.com

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ありがたいことに予想を大きく上回る数百台の注文を受けた結果、納期の問題やユーザーサポートが間に合わないという嬉しい悲鳴をあげていました。

生産体制で困っている事をあちこちに相談したところ、とみねさん とみね∞遠見海@バーチャル多趣味アンドロイド (@htomine) | Twitter の紹介で株式会社ShiftallのCEOである岩佐さん 和蓮和尚 (@warenosyo) | Twitter さんとVRChat上でお会いして、ワイワイとお話したところ、Shiftallさんで量産版のHaritoraであるHaritoraXを作ってもらえることになりました。

このプロジェクトにはアドバイザとしてVRCの文化に明るいぴちきよさん ぴちきょ📲RAKUNI iPhoneケース 💃🏻 VRChatクロマケ2nd 2/20〜 (@pichikyo) | Twitter にも参加してもらってます!

(これは去年のクリスマスにワイワイしてたときの様子。もこもこルームウェアが僕、右端が岩佐さん、ぴちきよさん撮影)

予定通りであれば2021春~夏くらいの間に、コミコミ税込み3万円以下でAmazon他からどなたでも買えるようになります。

ja.shiftall.net

一般販売より先に手に入れられる優先予約フォームはこちらになっております。よろしくお願いします。

HaritoraX優先予約フォームURL: https://forms.gle/7z8fgNrAivSJQmxj9

様々なお話

ホームメイドハードウェアスタートアップごっこの限界

大変楽しく賃貸マンションの一室で3Dプリンタをゴトゴト動かして、毎日仕事終わりに自室の作業机ではんだ付けをしていましたが、販売数が3桁台になると大変だという事が分かってきました。

はんだ付けして… ネジ締めて… 梱包して発送!

特にBoothの匿名発送+自宅から発送、の場合はQRコードを都度確認しながらヤマト運輸またはファミリーマートまで往復することになり、日々の出荷お散歩が日課になりました。

もっと組立が容易なPCBA(つまり、基板を業者にはんだ付け済みにしてもらう)や、生産性の高いケースなどを考えると良かったかもしれませんが、まさか売り出すまではこんなに売れると思わず、手作業の温かみで作れると思っていました。めっちゃ反省点です。

//ただ、ハードウェアの再設計とかをしてたら、販売開始がもっと遅れたと思うので、ここの判断は難しいところです

新しいHaritoraXって何が変わるの?

詳しくはプレスリリースをご覧ください。ですが

  • M5StickCではなくマイコンを直接基板に搭載して各種認証を取得します
  • バッテリー内蔵します(もちろんモバイルバッテリーによる稼働時間延長も可能です)
  • ↑つまり、HaritoraXはハードウェアを新規設計します
  • HaritoraXはShiftall社が Amazonなどで販売し、サポートも同社が行います
  • ソフトウェアは既存のHaritoraConfiguratorを使います
  • お値段は 税込み3万円以下の予定 です
  • 生産台数は100や200みたいな単位では無いです
  • 取り付けについても専用の仕組みを用意して装着感がアップする予定です

つまり、「僕に無限のお金と時間があったらこんなハードウェアにしたかったなあ」と思ってた夢のハードウェアをShiftallさんが作ってくれます。

Shiftallさんってどんなところ?

こんなところです!Panasonicさんのグループ会社です。

f:id:izm_11:20210219140332p:plain 株式会社Shiftall

Haritoraのような同人ハードウェアを作る人は日本に数百人くらいは居るのですが、同人ハードウェアの大量生産に協力をしてくれる国内の会社、というと数社しか思い当たる会社がありません。

なぜ数社しか無いかと言うと、こういうバクチみたいな製品を余裕で生産できる規模の会社にとっては、想定市場が狭すぎます(想定市場が狭いからこそ、僕は個人開発することにしたんですが)

かと言って、こういうバクチみたいな製品に自社の命運を託すような規模の会社に出来ること(つまり、数百万程度の初期投資)であれば、極論を言うと僕のポケットマネーでも実現可能なことだったりします。

更に言うと Haritoraみたいな製品をシャレで(?)作れるくらいの余裕があり、VR関係の市場に打って出る気概がある会社は、 Haritoraの競合製品を出すことも出来ます。

出来れば競合製品を出されるより、一緒に楽しく遊べたら嬉しいなあ…と思っていたところ、この思い当たる国内の数社の内の一つであるShiftallさんと協業することになりました。

ShiftallさんのCEOである岩佐さんと言えばキャズムを超えろというblog warenosyo.hatenablog.com

を書いていて、僕が製造業の仕事をしていたころにCESのレポートなどを読んで洞察力や製品に対する目線などで勉強をしたところです。

見返してみたら9年前のこの記事とかめっちゃ趣がありますね…!

こうして昔愛読していたblogを書いてた人の会社と一緒に
同人ハードウェアを量産改良してAmazon等で一般販売する と言う経験が出来ることは、嬉しいですね!

ShiftallさんはPanasonicさんのグループ会社ということもあり、各種認証の取得やユーザサポート、物流なども思い切り本職です。恐れ入ります…助かります。 僕はこのHaritoraXについてはソフトウェアエンジニアとして関わり、ハードウェアやサポートなどはShiftallさんにお任せする形になるかと思います。

今までのHaritoraはどうするの?

既存のお届けした分については、引き続きソフトウェア含めサポート対象です。HaritoraXのソフトウェアも既存のHaritoraConfiguratorベースで動くようにすることで、ソフトウェアアップデートも行っていく予定です。 ご安心ください。

そして、用途的に既存のHaritoraの方が望ましい方や、HaritoraXの発売が待ちきれない方に向けて既存のHaritoraを引き続き手作りで供給していきます。ただし、お待ちいただける場合はHaritoraXの方が価格面でも強度面でもおすすめですよ!というのが僕の意見です。

所感

同人ハードウェアを作って売った後、量産版を企業と組んで売り出す、というのは結構珍しい体験だと思うので超楽しみにしています!!

企業さんが興味を持ってくれたのも、多くの方がHaritoraに興味を持って、ユーザさんがいっぱい使ってくれたおかげです。本当にありがとうございます。

発売は少し先ですが、発売の際はよろしくお願いします!!