FLEXISPOTのデスクバイク v9レビュー

概要

FLEXISPOT社からご厚意で表記のデスクバイクV9を提供頂いたのでレビューをします。

デスクバイクは以前アルインコの1万円くらいのものを所持していたので、それとの比較を交えつつのレビューになります。

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特徴

デスクバイクは、自宅で有酸素運動が出来るフィットネス機器です。

  • 天板の有無
  • 折りたたみの有無

の2個のポイントがあります。ノートPCを開いたり本を読んだり、というながら作業をする場合は天板有りが良くて、使わないときに収納したい場合は折りたたみ有りが良いです。

このV9は - 天板有り - 折りたたみ無し

となります。

以前のデスクバイク

この機種に近い物を使っていました。 www.amazon.co.jp

アルインコのデスクバイクは折りたたみ有り、天板無しだったのですが、買って数日で使わなくなりました。

なぜなら使い終わって折りたたんだあと、コート掛けとして第二の人生を歩み始めてしまい、以降二度と折りたたみから展開することがなくなってしまった為です。

少なくとも僕の場合は、折りたためると折りたたんだまま一生使わなくなったので、もしズボラさに自信がある方はあえて折りたたみが出来ないデスクバイクの方が良い可能性があります。

また、天板無しのモデルにすると作業をしながら(あるいはソシャゲの周回をしながら)という事がやりにくいので、個人的には天板有りのデスクバイクに良さを感じます。

組み立て

例によってメチャクチャ重いです。重さは35kgくらいありました(段ボールに重量超過ってラベルが貼られました)

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この重さは一人で組み立てられるかですが、健康な成人男性であればギリギリいけそうです。 ですが死ぬほど重かったので10分も掛からない組み立てですが友人に手伝って貰う方が良さそうです。(バイクに天板を載せるときと接地の足を開くときは二人居た方が安全そうです)

ここでお得情報ですが、段ボールをあけて取り出すときに片側を開けて引っ張り出すより、両側を開けて底面から足で押し出すと、一人でも取り出せます。

中身は天板とバイクの2パーツ構成でシンプルです f:id:izm_11:20210620211516j:plain

バイクの足とペダルを開きます。 f:id:izm_11:20210620211541j:plain

天板を差し込んで1本のネジで固定するだけです。 f:id:izm_11:20210620211555j:plain 電動昇降机と違って組み立てに電動ドライバーは不要です。

使ってみての感想

調整機構は各種あるので身長150cmから190cm位の人は無理なく使えそうです。
静音さについてはほとんど音がしない(構造上チェーンが無いのでジャラジャラ言わない)ので、夜に使ってもご近所迷惑にならないのも嬉しい点です。

ペダルが痛い問題

ただしペダルが結構角張っているので、裸足で漕いでいると結構足の裏が痛いです。室内でシューズを使うほど本格的では無いトレーニングでは

  • ペダルに靴下とかを被せる
  • スリッパを使う
  • 厚手の靴下を履く

などの対応が必要だと思いました。

以前の同型番のレビューだとペダルのカバーが同梱されている、という例もありましたが メーカーに確認したところ現行製品はペダルのカバーは同梱されないそうです。

負荷調整

負荷調整は一番重くするとママチャリで自転車二人乗りで坂を登るくらいの負荷でした。かなりの負荷です。 ちょっと負荷があるな、というくらいのペダルの重さで軽く30分ほど漕いでも結構汗をかきました。有酸素運動として自転車はかなり良いですね。

電源周り

ACアダプタなどは不要で単三電池2個です。
また、ペダルを漕ぎ始めると自動で電源が入り、5分ほど放置すると自動で電源が切れるので何も気にしなくて良いのが気に入りました。

電源を入れる、というのも面倒くさいズボラな僕にはありがたいです。

天板について

エルゴノミクスな曲面形状なので概算ですが、幅55cm奥行き45cmのサイズです。結構大きいです。

また、かなりガッシリしているのでゲーミングノートも問題なく載りました。

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天板素材的に掃除がしやすい加工なのと、手前のクッションがパームレスト的に使えて良いのが気に入りました。天板がチープだったりガタガタするとかなり怖いです。 f:id:izm_11:20210620211710j:plain

床への固定について

キャスター4個で床に接地していますが、ストッパーがありません。一瞬怖かったですが、かなり本気で漕いでも移動しませんでした。 代わりにストッパーが無いのでデスクバイクから降りて移動させるときは押して移動するときにスムーズでした。

まとめ

折りたためない天板有りのデスクバイク、ずぼらな人の運動用にかなり良いかもしれません。僕は気に入りました。

また、6/22までセールで21%オフの35000円になっています。この機会に是非是非!

FLEXISPOTの電動昇降机E7レビュー E3との比較を添えて

概要

去年の2月くらいにFLEXISPOT社のE3Bという電動昇降机の脚と、オーダーした幅180cmの天板で最強の自宅環境を構築していました。 izm-11.hatenablog.com

あれから1年が経ち、机が手狭になってきた(?)タイミングで、FLEXISPOT社からご厚意で表記のE7を提供頂いた ので

  • E7含む電動昇降机の良さ
  • E7+FLEXISPOT純正天板の組み立て難易度
  • E3との比較

の3点について書いていこうと思います。

(ツイート文中ではE5と書いていますが本当はE3です)

E7含む電動昇降机の良さ

僕もソフトウェアエンジニアとして働いて10年近くになりますが、周囲の腰痛率については相当なものがあります。

若かりし頃はどんな机や安物の椅子でも気が狂ったように徹夜でハック出来たのですが、そろそろ健康に気を付けていくフェーズです。

そんなわけで良い椅子や机に対して気を遣う人も増えている、という実感があります。

特に電動昇降机はこの数年で僕の周りでの利用者がかなり増えてきました。以下に利点を書いていきます。

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明日からソーシャルゲームのクライアントエンジニアになる人に入門以前を宣伝します

概要

期が変わって2021/4/1からソーシャルゲームのクライアントエンジニアとして働く人も結構いるかもしれないと思うので

ソーシャルゲームのクライアントエンジニア入門以前 というサイトを宣伝します。 neon-izm.github.io

前回までの経緯

2020/7ごろゴリゴリ作って目次を一通り書いた後、以下の記事を公開しました。 この時点で約2万字程度 izm-11.hatenablog.com

公開以降、僕自身による本文の加筆の他、業界内の様々なエンジニアによる修正提案、項目追加などが加わりました。

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現在はカウントしてませんが約6-7万文字程度です。

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宣伝

書きたいことは大体↑のサイト+過去の日記に書いてしまったので改めて宣伝することが思いつきませんが、開発現場で突然仕事を振られて硬直しないように、ググりはじめるステップとして、ブックマークして備えておくというのはいかがでしょうか!

Haritoraを業務提携して量産することが決まって嬉しい話

概要

2020年にコツコツと趣味で作っていたVRChat向けフルトラデバイスのHaritoraですが、この記事にあるようにBoothで一般販売をしていました。

izm-11.hatenablog.com

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ありがたいことに予想を大きく上回る数百台の注文を受けた結果、納期の問題やユーザーサポートが間に合わないという嬉しい悲鳴をあげていました。

生産体制で困っている事をあちこちに相談したところ、とみねさん とみね∞遠見海@バーチャル多趣味アンドロイド (@htomine) | Twitter の紹介で株式会社ShiftallのCEOである岩佐さん 和蓮和尚 (@warenosyo) | Twitter さんとVRChat上でお会いして、ワイワイとお話したところ、Shiftallさんで量産版のHaritoraであるHaritoraXを作ってもらえることになりました。

このプロジェクトにはアドバイザとしてVRCの文化に明るいぴちきよさん ぴちきょ📲RAKUNI iPhoneケース 💃🏻 VRChatクロマケ2nd 2/20〜 (@pichikyo) | Twitter にも参加してもらってます!

(これは去年のクリスマスにワイワイしてたときの様子。もこもこルームウェアが僕、右端が岩佐さん、ぴちきよさん撮影)

予定通りであれば2021春~夏くらいの間に、コミコミ税込み3万円以下でAmazon他からどなたでも買えるようになります。

ja.shiftall.net

一般販売より先に手に入れられる優先予約フォームはこちらになっております。よろしくお願いします。

HaritoraX優先予約フォームURL: https://forms.gle/7z8fgNrAivSJQmxj9

様々なお話

ホームメイドハードウェアスタートアップごっこの限界

大変楽しく賃貸マンションの一室で3Dプリンタをゴトゴト動かして、毎日仕事終わりに自室の作業机ではんだ付けをしていましたが、販売数が3桁台になると大変だという事が分かってきました。

はんだ付けして… ネジ締めて… 梱包して発送!

特にBoothの匿名発送+自宅から発送、の場合はQRコードを都度確認しながらヤマト運輸またはファミリーマートまで往復することになり、日々の出荷お散歩が日課になりました。

もっと組立が容易なPCBA(つまり、基板を業者にはんだ付け済みにしてもらう)や、生産性の高いケースなどを考えると良かったかもしれませんが、まさか売り出すまではこんなに売れると思わず、手作業の温かみで作れると思っていました。めっちゃ反省点です。

//ただ、ハードウェアの再設計とかをしてたら、販売開始がもっと遅れたと思うので、ここの判断は難しいところです

新しいHaritoraXって何が変わるの?

詳しくはプレスリリースをご覧ください。ですが

  • M5StickCではなくマイコンを直接基板に搭載して各種認証を取得します
  • バッテリー内蔵します(もちろんモバイルバッテリーによる稼働時間延長も可能です)
  • ↑つまり、HaritoraXはハードウェアを新規設計します
  • HaritoraXはShiftall社が Amazonなどで販売し、サポートも同社が行います
  • ソフトウェアは既存のHaritoraConfiguratorを使います
  • お値段は 税込み3万円以下の予定 です
  • 生産台数は100や200みたいな単位では無いです
  • 取り付けについても専用の仕組みを用意して装着感がアップする予定です

つまり、「僕に無限のお金と時間があったらこんなハードウェアにしたかったなあ」と思ってた夢のハードウェアをShiftallさんが作ってくれます。

Shiftallさんってどんなところ?

こんなところです!Panasonicさんのグループ会社です。

f:id:izm_11:20210219140332p:plain 株式会社Shiftall

Haritoraのような同人ハードウェアを作る人は日本に数百人くらいは居るのですが、同人ハードウェアの大量生産に協力をしてくれる国内の会社、というと数社しか思い当たる会社がありません。

なぜ数社しか無いかと言うと、こういうバクチみたいな製品を余裕で生産できる規模の会社にとっては、想定市場が狭すぎます(想定市場が狭いからこそ、僕は個人開発することにしたんですが)

かと言って、こういうバクチみたいな製品に自社の命運を託すような規模の会社に出来ること(つまり、数百万程度の初期投資)であれば、極論を言うと僕のポケットマネーでも実現可能なことだったりします。

更に言うと Haritoraみたいな製品をシャレで(?)作れるくらいの余裕があり、VR関係の市場に打って出る気概がある会社は、 Haritoraの競合製品を出すことも出来ます。

出来れば競合製品を出されるより、一緒に楽しく遊べたら嬉しいなあ…と思っていたところ、この思い当たる国内の数社の内の一つであるShiftallさんと協業することになりました。

ShiftallさんのCEOである岩佐さんと言えばキャズムを超えろというblog warenosyo.hatenablog.com

を書いていて、僕が製造業の仕事をしていたころにCESのレポートなどを読んで洞察力や製品に対する目線などで勉強をしたところです。

見返してみたら9年前のこの記事とかめっちゃ趣がありますね…!

こうして昔愛読していたblogを書いてた人の会社と一緒に
同人ハードウェアを量産改良してAmazon等で一般販売する と言う経験が出来ることは、嬉しいですね!

ShiftallさんはPanasonicさんのグループ会社ということもあり、各種認証の取得やユーザサポート、物流なども思い切り本職です。恐れ入ります…助かります。 僕はこのHaritoraXについてはソフトウェアエンジニアとして関わり、ハードウェアやサポートなどはShiftallさんにお任せする形になるかと思います。

今までのHaritoraはどうするの?

既存のお届けした分については、引き続きソフトウェア含めサポート対象です。HaritoraXのソフトウェアも既存のHaritoraConfiguratorベースで動くようにすることで、ソフトウェアアップデートも行っていく予定です。 ご安心ください。

そして、用途的に既存のHaritoraの方が望ましい方や、HaritoraXの発売が待ちきれない方に向けて既存のHaritoraを引き続き手作りで供給していきます。ただし、お待ちいただける場合はHaritoraXの方が価格面でも強度面でもおすすめですよ!というのが僕の意見です。

所感

同人ハードウェアを作って売った後、量産版を企業と組んで売り出す、というのは結構珍しい体験だと思うので超楽しみにしています!!

企業さんが興味を持ってくれたのも、多くの方がHaritoraに興味を持って、ユーザさんがいっぱい使ってくれたおかげです。本当にありがとうございます。

発売は少し先ですが、発売の際はよろしくお願いします!!

KAT locoを代理店の人から貰ったので分解してみた

概要

VR-HMDと組み合わせて使うIMUセンサーのKAT locoの国内代理店である

katvr.jp

さんからご厚意で分解可能なKAT locoを頂いたので分解して初見の所見を書きます。

KAT locoは今後KAT loco Sという改良版が出るというニュースがあるので、逆に旧版を確認しておきたいというモチベーションがあります。

前提:僕は誰?

KAT locoと同じようなVR-HMDと組み合わせて使うIMUセンサー方式のハードウェア Haritoraを趣味で開発、販売しています。

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前提:受け取りの経緯

分解の様子

箱に入っています。腰と足で微妙に作りが違いますが、外装サイズやPCBサイズは合わせてそうですね(生産性向上…!) f:id:izm_11:20201230174410p:plain

早速分解しました。表面にUARTっぽいテストピンが4本出ているので、たぶん繋げたらなにか喋ってそうです。
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裏面はこんな感じ。リポを直はんだで止めているのがコスト対策を感じます。
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コンポーネント解説

メインSoC(計算するチップ)

STM32L152CBT6 (ARM Cortex-M3) 32MHzということでかなり消費電力を気にしている雰囲気です。 後述のIMUのDMPサンプルプログラムとの兼ね合いかも知れません。I2CでIMUと繋がってるようです。

STM32L152CBT6-A|製品情報(STM32)|STM32, STM8ファミリはSTの32bit/8bit汎用マイクロコントローラ製品

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IMU(姿勢を取得するジャイロセンサ)

TDK InvenSense MPU6050 ということでかなり昔のIMUで、加速度とジャイロが入ってる6軸IMUです。モーキャプとか姿勢計測には定番の地磁気センサが含まれていませんね…

正直なところ数年前から「新規設計には非推奨」というステータスなので、個人的にはもっと新しい世代を使っているかと思っていました。
たとえば、InvenSenseのDMP(クオータニオンを求める賢いフィルタモードや、タップ検知などが動く専用機能)を使いたい、と思っていて
DMPがリバースエンジニアリングによって解析済みなMPU6050を使いたかった、みたいな動機かもしれません。

MPU-6050 TDK InvenSense | センサ、トランスデューサ | DigiKey

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Bluetooth通信部

HY-40R204系のBLEモジュール 

BLE 5.0 Module : HY-40R204_BLE 5.0 Modules_Products_Shenzhen ShengRun Technology Co.,Ltd

BLEを使ってるっぽい予感があります。賢い!!!

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電源IC

TP4056系のリチウムイオン電池充電ICです。

大体データシートのリファレンス通りっぽい作り方で堅実な作り! f:id:izm_11:20201230180409p:plain

所感

IMUをマイコンでI2Cから読んで、BLEパケットを喋る。リポで電源供給、という仕組みから考えるとストレイトフォワードな実装でした。
ねじ一個で組み立て固定できるようになってたり、金型の共有化とかが考えられてて会社の仕事だ!!!と思いました。

ただし、このIMUで5点式のモーキャプはかなり難しいのでは…と思ってしまった…(なのでIMU自体の性能を上げたKAT loco Sを出す必要がありそうです)